XMTradingの「スタンダード口座」と「zero口座」はでは、どちらの取引コストが安いのでしょうか。
この記事に興味を持ってくださった方のほとんどは、その点についての答えを知りたいと思って来られたのではないでしょうか。
本記事では、実際に両口座でかかる取引コスト(=手数料)を計算し、どちらが安いのか、また、取引数量によって優劣が変わるのか、といった転についても検証していきます。
XMTrading 「スタンダード口座」と「Zere口座」の違いとは?
XMTradingで口座開設をした方なら一度は経験したと思いますが、まず口座開設のときに、いきなり「スタンダード口座」と「Zere口座」のどちらを選択するか選ぶことになるんですよね。
そして、一度決めたら他の口座は使えない。
※追加口座(無料)を開けばもう一方の口座を使うことができます。
私はとりあえず王道にしとこう、ということでスタンダードを選びましたが、Zero口座の方が実はお得だったりするなんてことはないよな……という思いも頭から離れず、今回検証することにしました。
スタンダード口座もZero口座も、1lotが10万通貨です。
「数量:1」と指定して買うと、10万通貨が約定されます。
ちなみに、「マイクロ口座」(1000通貨取引~)というのもありますが、これを選択する意味はありません。
スタンダード口座でもZero口座でも、注文時に数量を「0.1」にすれば1万通貨が買えますし、「0.01」にすれば1000通貨が買えるためです。
マイクロ口座は存在意義がないので省きます。
ではまず、スタンダード口座とZero口座の基本的な違いがこちらです!
スタンダード口座 | Zero口座 | |
取引コストの形態 | スプレッド | スプレッドが極狭、 1取引ごとに固定費 ($100,000のお取引に対して$5) ※「1lotごとに」ではないことに注意 |
レバレッジ | 最大888倍 | 最大500倍 |
入金時にもらえる ボーナス |
5000ドルまで (約50万円) |
0 |
平均スプレッド (USD/JPY) |
0.016 | 0.001 |
平均スプレッド (EUR/JPY) |
0.023 | 0.004 |
平均スプレッド (AUD/JPY) |
0.033 | 0.012 |
平均スプレッド (GBP/JPY) |
0.036 | 0.012 |
平均スプレッド (EUR/USD) |
0.00017 | 0.00001 |
確定申告時 | スプレッドは経費ではないため計上不可 | 取引手数料は「経費」として計上できる |
スプレッドとは、証券会社が設けた手数料的なシステムで、
「買うときはちょっとだけ高く買わせますよ、そして売るときはちょっと安く売らせますよ。その「ちょっと」の分は私たちがもらいますよ」
というものです。
こちらをご覧ください↓
この赤枠の中身がスプレッドです。
このときの本当の値段は、だいたいこの2つの数値の中間……106.793あたりのはずです。
それを割増で買わされる、割増で売らされるのが為替のルールです。
そして、「Zero口座」というのはその名の通り、スプレッドがゼロにちかい、という意味のゼロのようです。
上の表を見てお分かりの通り、「Zero口座」といえどもスプレッドはゼロではありません。
ただし、かなり低く抑えられていますね。
ここで気になるのが、結局どちらが最終的にコストが安く済むんだ?ということですね。
では次項からはシミュレーションしてみましょう!
スタンダード口座とZero口座の取引コストと損益を実際に計算してみる
USD/JPYの場合
107.000円に指値を指定して10lot(100万通貨)買ったと仮定します。
この時点で
スタンダード口座:実際の値段が107.016になったときに、107.000円で約定(スプレッド分)。
評価損益-16000円からスタート
(スプレッド分、実際の値段より高く買わされるため。ただし確定損失ではなく、価格が上がればチャラになる)
Zero口座:実際の値段が107.001になったときに、107.000円で約定(スプレッド分)。
-10700円(約定と決済=往復分の手数料=5350円×2 が最初に口座から引かれる。確定損失)
と-1000円(スプレッド)=-11700円でスタート
となります。
ドル円の価格が、約定した価格からいくらに上がったら、失ったコストがプラマイゼロになる?
スタンダード口座:107.032になった時点でプラマイゼロ
Zero口座:107.013になった時点でプラマイゼロ
それまでは含み損です。
Zero口座の手数料の計算方法
Zero口座の取引コストは、「$100,000のお取引に対して$5」です。
1千万円の取引に対して500円といったところですね。
「1lotごとに5ドル」ではないので気を付けましょう。
計算方法は、「その通貨の価格×取引通貨量÷10,000,000×500×2」です。
じゃあ、豪ドル/円を200万通貨買った体で計算してみます。
76(円)×2,000,000(通貨)×÷10,000,000=15
15×500(円)=約7,500円
これが往復分なので×2します。
7,500×2=15,000円
となります。
これがポジションを持った瞬間に口座から引かれます。
勝てる場合はいいですが、どうも上がりきらなくて建値付近でクローズする場合、この損失は最初に引かれているので取引画面のポジション欄にマイナスとして表示されません。
しっかりと自分の頭で損益額を計算に入れておかなければいけません。
では続きです。
108.000に指値を指定して売り注文を出した場合どうなる?
スタンダード口座:実際の値段が108.016に達するまで決済されない(売るときにもスプレッドがあるため)。
最終利益:+1,000,000円
Zero口座:実際の値段が108.001に達するまで決済されない(スプレッド幅)。
最終利益:+989,300円
(取引手数料を引いたもの)
いかがでしょうか、私は最初の予想と違っていてびっくりしました。
うーん、スタンダード口座は、往復のスプレッド分を考えると短期での約定タイミングはZero口座よりシビアです。
ただし、中長期保有となるともうそこまでデメリットは感じなくなりますね。
Zero口座は超短期は、比較的早く黒字に転換するので、一瞬のスキャルピングで利益をスッパ抜くときに力を発揮する取引タイプですね。
逆に、中長期保有で利益を取りたい場合には手数料が足を引っ張っているような気がします。
念のためもう一例、計算してみます
GBP/JPYの場合
135.000円に指値注文(買い)を出して50lot(500万通貨)約定したと仮定します。
この時点で
スタンダード口座:実際の値段が135.036のとき、135.000で約定。
評価損益-180,000円からスタート
(スプレッド分、実際の値段より高く買わされるため。ただしスプレッドは確定損失ではなく、価格が上がればチャラになる)
Zero口座:実際の値段が107.012のとき、135.000で約定。
-67,500円(約定と決済の往復分の手数料=33,750円×2 が最初に口座から引かれる。確定損失)
と-60,000円(スプレッド)=-127,500円でスタート
ポンド円の価格が、約定した価格からいくらに上がったら、失ったコストがプラマイゼロになる?
スタンダード口座:実際の値段が135.072になった時点でプラマイゼロ
Zero口座:実際の値段が135.038になった時点でプラマイゼロ
↑この価格までは赤字ということになります。
※取引数量が変わっても同じです。
136.000に指値を指定して売りが確定した場合どうなる?
スタンダード口座:実際の値段が135.036に達するまで決済されない(売るときにもスプレッドがあるため)。
最終利益:+5,000,000円
(ただし買い時と売り時、往復7.2pipsがスプレッドとして存在)
Zero口座:実際の値段が135.012に達するまで決済されない(スプレッド幅)。
最終利益:+4,932,500円
(スプレッドは往復2.4pipsだが、取引手数料はあらかじめ口座から引かれている)
ポンドの場合も、黒字に転換するのが早い=超短期取引に向いているのはZero口座、中長期保有ならスタンダード口座、という結果になりました。
次の段落で総括します。
まとめ
つまり、スプレッドが高い通貨ペアで短期決戦であればZero口座の方が有利、
中長期戦で買い上がりや売り下がりを狙うなら、レバレッジの高いスタンダード口座の方が有利ということですね。
計算の通り、手数料やスプレッドで失った損失を早めに取り戻せるのがZero口座の魅力ですね。
スキャルピングなどの超短気売買に向いていると思います。
一方、スタンダード口座は、レバレッジ888倍を活かして大きな取引が可能です。
↑これはかぶトマトが数十万という少ない元手で出した利益です(デイトレード)。
レバレッジ888倍でなければ不可能だったでしょう。
中~長期保有である程度の利幅を狙うなら、スタンダード口座でも気になりません。逆にスキャルピングには全く向いてません。
では、まとめとして、両口座の良い点と悪い点をすべて挙げていきます!
細かいサービスの点でも違いがありますので、参考にしていただければと思います。
スタンダード口座
-
- 【良い点】
- レバレッジ888倍の高倍率で取引できる
- 入金時、最大5000ドル(50万円)のボーナスがもらえる
- 取引に応じてポイントが付き、取引専用のお金がもらえる「ロイヤルティポイント」がもらえる
- 【悪い点】
- スプレッドが広い
Zero口座
-
- 【良い点】
- スプレッドが狭く、取引開始から黒字に転換するまでが比較的速い
- スプレッドが大きい通貨ペアほど、スタンダード口座よりお得になる
- 取引手数料は確定申告時に経費として計上できる
- 【悪い点】
- 入金ボーナスがない
- 「ロイヤルティポイント」がもらえない
- レバレッジが最大500倍ということで、XMの魅力(888倍)が今一つ活かせない
- スプレッドだけで言えば、はっきり言ってクリック証券等の方が狭い。しかも取引手数料無料
以上のことから、
レバレッジ888倍で大きな利益を狙うならスタンダード口座、
レバレッジ500倍の大きめのレバレッジで短気取引をするならZero口座、
レバレッジ25倍の低い倍率で、リターンが少なくてもいいから安いコストで取引したい場合は、スプレッドがZero口座とほぼ同じかもっと狭い上に取引手数料無料のクリック証券がおすすめです。